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Stable Diffusionのネガティブプロンプト完全ガイド:精度を高めるテクニック

Stable Diffusionで理想的な画像を生成するには、プロンプトの設定が非常に重要です。

特に「ネガティブプロンプト」を効果的に活用することで、生成結果のクオリティを大幅に向上させることが可能です。

この記事では、

  • ネガティブプロンプトの概要
  • 具体的な活用例や推奨キーワード
  • 実際の効果を最大化するためのコツ

について詳しく解説します。生成精度を高めたい方、無駄な生成回数を減らしたい方に役立つ情報を提供します。

ネガティブプロンプトとは

概要

ネガティブプロンプトは、Stable Diffusionで「除外したい要素や特徴」を指定するための設定です。

通常のプロンプト(ポジティブプロンプト)は「生成したい要素」を記述しますが、ネガティブプロンプトはその逆の指示を与えるものです。

この設定を正しく使うことで、画像生成の無駄を省き、効率的に高品質な画像を得ることが可能です。

プロンプトとは?

プロンプト(Prompt)とは、AIとの対話やコマンドラインインタフェース(CLI)などの対話形式のシステムにおいて、ユーザが入力する指示や質問のこと

出典:Softbank プロンプト

ネガティブプロンプトを使用するメリット

  1. 不要な要素の排除
    意図しないノイズや余計なオブジェクトを排除することができます。
  2. 生成プロセスの効率化
    無駄なトライアルを減らし、短時間で目的の結果を得られるようになります。
  3. 画像のクオリティ向上
    ノイズやアーティファクトを軽減し、クリーンな結果が得られます。

おすすめのネガティブプロンプト一覧とその意味・効果

以下は、用途別に分類したおすすめのネガティブプロンプトの一覧です。

それぞれのキーワードの意味と効果を理解し、用途に応じて最適な設定を行いましょう。

品質改善系

キーワード意味と効果
low quality低品質の描写を排除し、全体のクオリティを向上させます。
blurryぼやけた画像を防ぎ、クリアで鮮明な仕上がりを実現します。
noisyノイズ(ざらつきや乱れ)の多い描写を抑え、滑らかな画像にします。

歪みや欠陥の排除系

キーワード意味と効果
deformed人物やオブジェクトの形状の歪みを防ぎ、自然な形を保ちます。
poorly drawn hands手が不自然に描かれる問題を排除し、リアルで自然な手を生成します。
extra limbs不要な手足が生成されるのを防ぎます(特にポートレートやキャラクター画像で効果的)。
extra fingers指が多すぎる(6本以上など)不自然な描写を回避します。

リアルさ向上系

キーワード意味と効果
cartoonishアニメ風や漫画風のスタイルを排除し、写実的な描写を促進します。
unrealistic非現実的な描写(極端なデフォルメや不自然なバランス)を回避します。
overexposed露出が過剰で白飛びした部分を抑え、自然な光のバランスを実現します。
underexposed露出不足で暗すぎる描写を防ぎ、適切な明るさを確保します。

環境/背景調整系

キーワード意味と効果
cluttered background背景がごちゃごちゃしすぎる描写を防ぎ、スッキリとした構図を実現します。
random objects無関係なオブジェクトが描かれるのを回避し、生成結果をシンプルにします。
out of focusピントが合っていないぼやけた描写を排除し、全体をシャープにします。

色彩調整系

キーワード意味と効果
oversaturated彩度が高すぎて不自然なカラーバランスを回避します。
undersaturated彩度が低すぎて色がぼやけるのを防ぎ、適切な彩度を維持します。
monotone単調で色味の乏しい描写を回避し、より豊かな色彩表現を可能にします。

スタイル調整系

キーワード意味と効果
sketchスケッチ風の描写を排除し、洗練された詳細な描写を目指します。
pixelated画像がピクセル化され荒くなるのを防ぎ、高解像度のクオリティを確保します。
grainy粒子感が強いざらつきのある描写を防ぎ、滑らかな仕上がりを実現します。

特殊な場面に対応

キーワード意味と効果
bad anatomy人物の解剖学的なバランスの悪さを防ぎ、自然なプロポーションを保ちます。
bad proportions人物やオブジェクトの全体的な比率の不自然さを回避します。
extra objects目的と無関係なオブジェクトの描写を排除し、構図をシンプルにします。

ディテール向上系

キーワード意味と効果
missing details細部が省略された状態を防ぎ、緻密で詳細な描写を実現します。
poorly detailedディテールが粗い描写を排除し、繊細な仕上がりを目指します。
rough粗い描写を避け、洗練された滑らかな結果を得るために使用します。

キーワードの活用ポイント

  • 画像の種類や目標に合わせて選択
    ポートレートなら「poorly drawn hands」や「extra fingers」、
    風景画像なら「blurry」「cluttered background」など、目的に応じてキーワードを選ぶと効果的です。
  • 組み合わせて使用
    例:写実的なポートレートを生成する場合
    Negative Prompt: deformed, poorly drawn hands, extra limbs, unrealistic

ネガティブプロンプトの活用例

1. 高品質な風景画像の生成

設定例

  • Positive Prompt: a breathtaking mountain landscape, sunset, ultra high resolution
  • Negative Prompt: blurry, noisy, low quality, washed out

効果

ノイズやぼやけた描写を排除し、美しい風景が生成されます。

2. リアルなポートレート画像の生成

設定例

  • Positive Prompt: a hyper-realistic portrait of a man, cinematic lighting, detailed skin texture
  • Negative Prompt: extra limbs, deformed, poorly drawn face, overexposed

効果

顔や体の歪み、余計な要素を排除し、リアルなポートレートが完成します。

ネガティブプロンプトあり
ネガティブプロンプトなし

まとめ

ネガティブプロンプトを効果的に活用することで、Stable Diffusionの画像生成能力を最大限に引き出すことができます。

  • ネガティブプロンプトは「生成したくない要素」を具体的に除外するための設定
  • 正しいキーワード選定で、画像のクオリティを向上
  • 試行錯誤を通じて、自分の目的に合った最適な設定を見つける

次回の画像生成では、この記事で紹介したキーワードとコツを活用し、さらに理想的な結果を目指してみてください!

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